図面の電子化を業者へ依頼しようとしたとき、
「まず見積もりを取りたいけれど、何を伝えればいいの?」
と迷うことはありませんか?
図面電子化の料金は、単純に「1枚いくら」で決まるものではありません。
図面のサイズや枚数はもちろん、原稿の状態、カラー・モノクロ、必要な解像度、PDFやCADなどの納品形式、ファイル名や属性情報の付与など、どのような電子データに仕上げるのかによって作業内容や費用が変わります。
特に大量の図面を電子化する場合は、事前に仕様を整理しておくことで、見積もりがスムーズになるだけでなく、業者との認識違いや追加費用の発生も防ぎやすくなります。
この記事では、図面電子化の見積もりを依頼するときに、業者へ伝えておきたい7つのポイントを解説します。

図面電子化の料金は何で決まる?
図面電子化の費用を左右する主な要素は、次のようなものです。
- 原稿のサイズ
- 原稿の枚数・冊数
- 原稿の状態・形態
- カラー・モノクロ
- 解像度
- 納品データの形式
- ファイル名・属性情報などの付加作業
さらに、製本図面の非破壊スキャン、長尺図面、劣化した図面、OCR、CAD化、ラスベク変換など、特殊な作業が必要になる場合には、その内容も見積もりに影響します。
つまり、「A1図面を1,000枚PDFにしたい」という情報だけでは、正確な見積もりを出すには不十分な場合があります。
では、具体的に何を伝えればよいのでしょうか。
図面電子化の見積もりで伝えるべき7項目
1.図面のサイズ
まず重要なのが、図面の大きさです。
A4、A3、A2、A1、A0など、規格サイズが分かれば伝えましょう。
例えば、
- A4:約500枚
- A3:約1,000枚
- A1:約3,000枚
- A0:約500枚
というように、サイズ別におおよその数量を伝えると、業者側でも作業量を把握しやすくなります。
規格サイズが分からない場合でも、縦・横の寸法を測って伝えれば問題ありません。
エビスではA0判の大判図面や、A0を超える長尺図面にも対応しています。長尺図面は最大6mまで対応可能で、原稿の大きさに応じて専用のスキャナを使い分けています。
サイズが分からない場合は?
「倉庫に大量にあるので、一枚ずつ測るのは難しい」
というケースもあるでしょう。
その場合は、
「ほとんどA1ですが、一部A0とA2があります」
といった大まかな情報でも構いません。
原稿の写真を添付すれば、さらに状況を伝えやすくなります。
2.図面の枚数・冊数
次に必要なのが数量です。
1枚ものの図面なら「枚数」、製本されている場合は「冊数」と「1冊あたりのおおよそのページ数」を伝えます。
例えば、
A1図面:約5,000枚
A2製本:約30冊(1冊約100ページ)
といった形です。
正確な枚数が分からなくても問題ありません。
「段ボール20箱分」「書庫の棚3本分」「製本図面約100冊」など、概算でも見積もりの相談は可能です。
当社では、原稿枚数を数えていない場合には、営業スタッフが現地で概算数量や原稿状態を確認する事が可能です。
大量案件では、最初から正確な枚数を数え切る必要はありません。
3.原稿の状態・形態
同じA1図面でも、原稿の状態によって作業方法は大きく異なります。
例えば、
- 1枚もの
- 製本図面
- 折り込み図面
- 青焼き
- 白焼き
- 手書き図面
- トレーシングペーパー
- マイラー
- 劣化した図面
- 丸まった図面
- ホチキス・クリップ留め
- 貼り合わせ図面
などがあります。
特に注意したいのが製本図面です。
製本を分解してスキャンするのか、製本された状態のまま非破壊でスキャンするのかによって、作業方法が変わります。
当社では、A1判の図面製本を壊さずに電子化する非破壊スキャンや、A0判の製本図面に対応するフラットベッドスキャナを用意しています。
そのため、
「A1の図面ですが、黒表紙の製本状態です」
という情報だけでも、見積もりを依頼するうえで重要な情報になります。
4.カラーかモノクロか
カラーで保存するのか、モノクロでよいのかも料金やデータ容量に関係するポイントです。
例えば、
モノクロで問題ない図面
- 黒線中心の図面
- 白黒の設計図
- モノクロの帳票
など。
カラーが必要な図面
- 色分けされた配管図
- 色によって情報を区別している図面
- 写真付き資料
- カラーで記録された古い資料
などです。
「とりあえず全部カラーで」と考えることもできますが、用途によってはモノクロで十分な場合があります。
一方、色そのものが情報になっている図面をモノクロ化すると、電子化後に情報が失われる可能性があります。
そのため、「何に使うための電子化なのか」も一緒に伝えると、適切な仕様を相談しやすくなります。
5.必要な解像度
解像度は「高ければ高いほどよい」とは限りません。
一般的な閲覧用なのか、印刷用なのか、細い線や小さな文字まで確認する必要があるのかによって、適切な解像度は異なります。
例えば、
「社内で閲覧・検索できればよい」
のか、
「将来的に大判印刷する可能性がある」
のかでは、必要な仕様が変わります。
当社のスキャンサービスでは、用途に応じて解像度を設定でき、閲覧用途の目安としては、カラー200dpi、モノクロ400dpi、印刷用途の目安としてカラー350dpi、モノクロ600dpiなどをご案内しています。
ただし、これはあくまで目安です。
図面の細線や文字をどの程度再現したいのかを業者へ相談し、用途に適した仕様を決めることをおすすめします。
6.納品データの形式
電子化した図面を何の形式で納品してもらうかも、見積もり前に決めておきたいポイントです。
代表的なものとして、
- TIFF
- JPEG
- PNG
- DWG
- DXF
などがあります。
最も一般的なのはPDFですが、
「PDFで十分なのか?」
「CADデータまで必要なのか?」
は事前に検討しましょう。
PDF化
紙の図面を画像データとして電子化し、パソコン上で閲覧・保存する方法です。
CAD化
紙図面をCADデータとして利用できる状態にする方法です。
CAD化は単純なスキャンとは作業内容が大きく異なるため、別途費用が必要になる場合があります。
「将来CADで編集する予定があるからCAD化したい」のか、「単に紙図面をデジタル保存したい」のかによって、必要な仕様は変わります。
7.ファイル名・属性情報などの付加作業
大量の図面を電子化する場合、意外と重要なのがデータ整理の方法です。
例えば、
A001.pdf
A002.pdf
A003.pdf
というファイル名だけでは、後から目的の図面を探すのが大変です。
そこで、
- 図面番号
- 工事名称
- 建物名称
- 作成年月日
- 図面種別
- 縮尺
- 部門名
- 管理番号
などの情報をファイル名や属性情報として付与する方法があります。
当社では、図面や文書の電子化時に工事名称や縮尺などの属性情報を付与し、検索性の高いデータベースを構築することを提案しています。
大量の図面では、
「スキャン料金」だけでなく「電子化後にどう使うか」まで考えて見積もりを依頼する
ことが重要です。
追加で伝えておきたい3つのポイント
上記7項目に加えて、次の情報も分かれば、より具体的な見積もりにつながります。
① 納期
「いつまでに必要なのか」を伝えましょう。
特に数千枚、数万枚規模になると、必要な期間や作業体制の検討が必要になります。
「○月末までに納品希望」など、具体的な希望納期があれば伝えておきましょう。
② 原稿の受け渡し方法
図面を業者へ持ち込むのか、配送するのか、業者に引き取りに来てもらうのか。
また、機密性が高く、
「原稿を社外へ持ち出せない」
という場合もあります。
当社では、スタッフが現地へ機材を持ち込み、その場でスキャンする出張スキャンをご提案しています。図面や資料が持ち出し禁止の場合などに便利です。
③ 電子化後の原稿をどうするか
電子化が終わった後、紙の原稿をどうするのかも決めておくとスムーズです。
- 返却してもらう
- 一定期間保管する
- 廃棄する
- 溶解処理する
などの方法があります。
特に機密性の高い図面の場合は、電子化後の原稿処理まで含めて相談しておくと安心です。
図面電子化の見積もり依頼は「7項目」が分かればスムーズ
ここまで説明した内容をまとめると、業者へ見積もりを依頼するときには、最低限次の7項目を整理しておくとよいでしょう。
| 項目 | 伝える内容の例 |
| ① サイズ | A0・A1・A2など |
| ② 数量 | ○○枚、○○冊など |
| ③ 原稿状態 | 1枚物・製本・青焼き・劣化など |
| ④ 色 | カラー・モノクロ |
| ⑤ 解像度 | 200dpi・400dpiなど |
| ⑥ 納品形式 | PDF・TIFF・CADなど |
| ⑦ データ整理 | ファイル名・属性情報・OCRなど |
さらに、
希望納期・原稿の受け渡し方法・電子化後の原稿処理
まで伝えれば、より具体的な相談ができます。
それでも「何枚あるか分からない」場合は?
大量の図面を保管している企業や官公庁では、
「何枚あるのか正確に数えられない」
というケースも珍しくありません。
また、
「A1だと思うけれど、A0も混ざっている」
「製本図面が何十冊もある」
「古い図面なので状態を見ないと分からない」
といったケースもあります。
このような場合、すべての情報を揃えてから問い合わせる必要はありません。
まずは、
- おおよその数量
- 原稿の写真
- サイズ
- 原稿の種類
- 希望する納期
- 電子化後の用途
など、分かる範囲の情報を伝えて相談してみましょう。
必要に応じて、業者側で原稿を確認し、具体的な作業内容を整理してもらうこともできます。
図面電子化の見積もりはエビスへご相談ください
エビスでは、大判図面から製本図面、青焼き、白焼き、長尺図面、マイラーなど、さまざまな原稿の電子化に対応しています。原稿の種類や状態に応じてスキャナや作業方法を選択し、用途に合わせた電子化仕様をご提案します。
また、単純なPDF化だけでなく、
OCR・属性情報の付与・検索設定・CAD化・ラスベク変換
など、電子化後の利用を考えたデータ作成にも対応しています。
大量の図面についても、数量に応じた価格相談が可能です。エビスの料金案内でも、スキャンサービスは数量に応じて相談できることが案内されています。
こんな場合もお気軽にご相談ください
- 大量の図面があり、何枚あるか正確に分からない
- A0・A1・A2など複数サイズが混在している
- 製本された図面を壊さずに電子化したい
- 青焼きや古い図面を電子化したい
- PDFで十分なのかCAD化まで必要なのか分からない
- 電子化と同時にファイル名や属性情報を整理したい
- 社内で電子化する場合と外注する場合の費用を比較したい
- 原稿を社外へ持ち出せない
「この条件で見積もりできる?」という段階でも構いません。
原稿のサイズ・数量・状態・用途など、分かる範囲でお知らせください。内容を確認したうえで、必要な電子化仕様や作業方法をご提案します。
見積もりを依頼するときの簡単な伝え方
問い合わせ時には、例えば次のように伝えるとスムーズです。
原稿:A1図面 約3,000枚
状態:1枚物、一部青焼きあり
用途:社内での閲覧・検索
希望形式:PDF
カラー:モノクロ希望
納期:○月末頃
その他:図面番号をファイル名にしたい
この程度の情報があれば、まず相談を始めることができます。
図面電子化は、「何枚をいくらでスキャンするか」だけではなく、「電子化したデータをどう使うか」まで含めて仕様を決めることが重要です。
「まだ仕様が決まっていない」という場合も、まずはご相談ください。
