パンフレットやチラシ、冊子などを印刷するとき、「100部だけ印刷したい」「必要な分だけ作りたい」というケースがあります。
このような少部数の印刷では、オンデマンド印刷が選択肢の一つになります。
オンデマンド印刷は、印刷用の版を作らず、データから直接印刷する方式です。少部数でも印刷しやすく、必要な数量だけ作れることが特徴です。
一方で、印刷物の内容や部数によってはオフセット印刷の方が適している場合もあります。
ここでは、少部数印刷におけるオンデマンド印刷のメリット・デメリットと、選び方のポイントを解説します。

オンデマンド印刷とは?
オンデマンド印刷は、印刷データをデジタル印刷機に送り、必要な部数を直接印刷する方法です。
オフセット印刷のように印刷用の版を作る必要がないため、少部数の印刷や短納期の印刷に対応しやすいという特徴があります。
例えば、
- チラシを50部だけ印刷したい
- 会議資料を100部作りたい
- 必要なときに必要な部数だけ印刷したい
- 内容を変更しながら印刷したい
といった場合に利用されています。
少部数印刷でオンデマンド印刷を選ぶメリット
1.少ない部数でも印刷しやすい
オンデマンド印刷は、少部数でも印刷しやすいことが大きなメリットです。
印刷用の版を作る工程がないため、10部、50部、100部など、必要な数量に合わせて印刷できます。
大量に印刷して余った在庫を抱える必要がないため、必要な分だけ作りたい場合に向いています。
2.必要な数量だけ印刷できる
「最初は100部必要だが、追加で必要になるか分からない」という場合にもオンデマンド印刷が便利です。
最初から大量に印刷するのではなく、必要になった時点で追加印刷することで、余剰在庫を抑えられます。
特に内容を頻繁に更新するパンフレットや案内資料では、古い情報が残ったまま大量に余ってしまうリスクを減らせます。
3.短納期に対応しやすい
オンデマンド印刷は版を作る工程がないため、比較的スピーディーに印刷できます。
「来週の説明会に間に合わせたい」「急に資料が必要になった」といった場合にも選択肢になります。
ただし、実際の納期は部数、用紙、加工、データの状態などによって変わるため、事前に確認することが大切です。
4.データの変更に対応しやすい
オンデマンド印刷は、印刷データを変更して次の印刷を行いやすいという特徴があります。
例えば、
第1回:100部
↓
内容を更新
↓
第2回:100部
というように、必要なタイミングで内容を変更できます。
5.可変印刷にも利用できる
オンデマンド印刷では、1枚ごとに異なる情報を印刷する可変印刷にも対応できます。
例えば、
- 宛名
- 会員番号
- QRコード
- バーコード
- 個別の案内内容
などを印刷物ごとに変えることができます。
大量の同一印刷だけでなく、個別情報を組み込んだ印刷物にも活用できます。
オンデマンド印刷のデメリット
メリットが多い一方で、オンデマンド印刷にも注意点があります。
1.大量印刷では割高になる場合がある
少部数ではメリットのあるオンデマンド印刷ですが、部数が増えると1部あたりの料金が高くなる場合があります。
数千部、数万部など、大量に同じものを印刷する場合は、オフセット印刷の方が適していることがあります。
そのため、「オンデマンド=いつでも安い」というわけではありません。
2.仕上がりが印刷方式によって異なる
オンデマンド印刷とオフセット印刷では、印刷方式が異なるため、仕上がりにも違いがあります。
写真やベタ面の多い印刷物、色の再現性を重視する印刷物などでは、用途に応じて印刷方式を検討する必要があります。
3.用紙や加工に制限がある場合がある
印刷機によって対応できる用紙の種類や厚さ、サイズ、加工方法などが異なります。
特殊な用紙を使用したい場合や、特殊加工を組み合わせたい場合は、事前に対応可能か確認しましょう。
オンデマンド印刷とオフセット印刷の違い
少部数印刷を検討するときは、オンデマンド印刷だけでなくオフセット印刷との違いを確認すると分かりやすくなります。
| 項目 | オンデマンド印刷 | オフセット印刷 |
| 少部数 | 向いている | 割高になりやすい |
| 大量印刷 | 条件による | 向いている |
| 初期工程 | 版が不要 | 版が必要 |
| 納期 | 短納期に対応しやすい | 工程が多くなりやすい |
| 内容変更 | 対応しやすい | 変更には再版が必要 |
| 可変印刷 | 対応しやすい | 一般的には不向き |
| 在庫 | 必要な分だけ作りやすい | 大量に作ると在庫が発生しやすい |
どちらが適しているかは、印刷部数だけでなく、納期や内容、在庫まで含めて考えることが重要です。
少部数ならオンデマンド印刷を検討
例えば、次のような印刷物ではオンデマンド印刷を検討しやすくなります。
- 10~100部程度の資料
- 少部数のチラシ
- 社内資料
- セミナー・イベント資料
- 内容を更新するパンフレット
- 個別情報を入れるDM
- 試作品・少量の冊子
一方で、同じ内容の印刷物を数千部以上まとめて作る場合などは、オフセット印刷も含めて比較することをおすすめします。
「印刷単価」だけで決めないことが大切
印刷方式を選ぶときは、1部あたりの印刷料金だけを見るのではなく、トータルコストで考えることが大切です。
例えば、1,000部印刷して1部あたりの単価が安くても、実際には300部しか使わず700部余ってしまえば、保管スペースや廃棄の問題が発生します。
逆に、必要な100部だけをオンデマンド印刷すれば、1部あたりの単価が多少高くても、余分な在庫を持たずに済みます。
つまり、
印刷費+在庫・保管コスト+廃棄リスク
まで考えて印刷方法を選ぶことがポイントです。
オンデマンド印刷を依頼するときに伝えること
印刷会社に相談するときは、次の内容を伝えるとスムーズです。
- 印刷物の種類
- 必要部数
- サイズ
- カラー・モノクロ
- 用紙の種類
- ページ数
- 製本・加工の有無
- 希望納期
- データの有無
- 内容を変更する予定があるか
特に「100部だけ必要」「今後追加印刷する可能性がある」など、具体的な利用予定を伝えると、印刷方式を検討しやすくなります。
エビスなら印刷方法からご相談いただけます
エビスでは、オンデマンド印刷とオフセット印刷の両方に対応しています。
少部数の印刷から大量印刷まで、部数だけでなく、納期、品質、用紙、加工、在庫などを考慮して印刷方法をご提案します。
「オンデマンドとオフセットのどちらがよいか分からない」という場合も、印刷物の用途や必要部数をお聞かせください。
まとめ
少部数印刷では、オンデマンド印刷が適しているケースが多くあります。
特に、
- 少ない部数を印刷したい
- 必要な分だけ作りたい
- 短納期で印刷したい
- 内容を変更しながら印刷したい
- 在庫をできるだけ持ちたくない
- 可変印刷を利用したい
といった場合に検討しやすい印刷方法です。
一方で、大量印刷や仕上がり、用紙・加工などの条件によってはオフセット印刷が適している場合もあります。
「少部数だからオンデマンド」と単純に決めるのではなく、部数・納期・品質・在庫・用途をまとめて考えることが、適切な印刷方法を選ぶポイントです。
