企業や官公庁・自治体には、長年にわたって蓄積された大量の紙文書や資料があります。
契約書、行政文書、報告書、帳票、図面、設計資料、会議資料、台帳、冊子など、その種類はさまざまです。
紙資料を保管していると、保管スペースだけでなく、
- 必要な資料を探す時間
- ファイルを整理する人員
- 倉庫や書庫の維持費
- 劣化や紛失への対応
- 閲覧やコピーにかかる作業時間
など、目に見えにくい管理コストも発生します。
そのため、紙資料をスキャンして電子化し、検索・閲覧しやすい状態にすることは、単なるペーパーレス化ではなく、文書管理業務そのものを効率化する取り組みといえます。
しかし、数百枚、数千枚程度ならともかく、数万枚、数十万枚といった大量の資料を電子化する場合、
「社内のスタッフで少しずつスキャンすればよいのでは?」
と考えると、想像以上に時間と人件費がかかることがあります。
大量の文書・資料を電子化する場合には、内製するのか、専門業者へ外注するのかを、費用だけでなく品質・納期・作業負担まで含めて比較することが重要です。
この記事では、大量の紙資料を電子化する方法と、内製・外注それぞれのメリット・デメリット、専門業者を利用する際のポイントについて解説します。

大量の紙資料を電子化するメリット
まず、大量の文書・資料を電子化することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。
1.資料を探す時間を短縮できる
紙資料は、保管場所やファイル名を覚えていなければ、目的の資料を見つけるまでに時間がかかります。
電子化して適切なファイル名や属性情報を付与すれば、パソコン上で検索・閲覧できるようになります。
さらにOCR処理を行えば、画像化した文書から文字を認識し、検索性を高めることもできます。
エビスではOCR処理やPDF化、属性情報の付与など、電子化後の検索性を考えたデータ作成にも対応しています。
2.保管スペースを削減できる
大量の紙資料を保管するには、書庫や倉庫などのスペースが必要です。
資料が増え続ければ、保管場所を新たに確保しなければならない場合もあります。
電子化することで、紙資料の保管量を減らし、限られたスペースを有効活用できます。
3.複数人で情報を共有しやすくなる
紙の資料は、基本的に「その資料を持っている人」が閲覧します。
一方、適切に電子化された資料なら、権限管理を行ったうえで複数の担当者が閲覧できます。
テレワークや複数拠点での業務など、紙資料を共有しにくい環境でも活用しやすくなります。
4.紙資料の劣化や紛失に備えられる
紙は時間の経過によって劣化します。
特に古い資料や感熱紙、青焼き、トレーシングペーパーなど、保存状態によっては劣化が進んでいる資料もあります。
電子化によって情報をデジタルデータとして残しておくことで、原本の劣化による情報消失のリスクに備えることができます。
大量の電子化は「社内で行う」か「外注する」か
大量の資料を電子化する方法は、大きく分けて2つあります。
① 社内スタッフによる内製
② スキャン専門業者への外注
どちらが正解というわけではありません。
資料の量、原稿の種類、納期、セキュリティ、必要な画質、属性情報の有無などによって、適した方法は変わります。
だからこそ、まずは両者を比較してみることが大切です。
社内で大量の資料を電子化する方法
社内で電子化する場合、一般的には次のような流れになります。
資料の整理
↓
スキャンする資料の選別
↓
ホチキス・クリップなどの除去
↓
スキャン
↓
画像確認
↓
ファイル名の設定
↓
フォルダ整理
↓
データ保存
一見すると単純な作業に見えます。
しかし、大量の資料を扱う場合には、一つひとつの作業時間が積み重なります。
例えば1枚のスキャンに数十秒しかかからなかったとしても、10万枚となれば、それだけで膨大な作業時間になります。
さらに、実際にはスキャンする前後の作業も必要です。
内製のメリット
社内で電子化するメリットには、次のようなものがあります。
原稿を社外へ持ち出さずに済む
機密性の高い資料や個人情報を含む資料の場合、社外へ原稿を搬出することに抵抗がある企業・自治体もあります。
社内で作業すれば、原稿を外部へ移動させる必要がありません。
小規模な案件なら取り組みやすい
数百枚程度など、比較的少量の資料であれば、既存の複合機やスキャナを利用して社内で対応する方法もあります。
特に「今すぐ必要な数十枚だけ電子化したい」といった場合には、外注するより社内作業の方が効率的なこともあります。
内製で注意したい「見えないコスト」
一方、大量の資料を内製する場合には、スキャン料金だけでは分からないコストにも注意が必要です。
例えば、
- 担当者の人件費
- スキャナの購入費
- パソコンなどの設備費
- 作業場所の確保
- 原稿整理の時間
- スキャン後の検品
- ファイル名変更
- 属性情報の入力
- OCR処理
- データ整理
- 作業期間中の通常業務への影響
などです。
特に見落としやすいのが、担当者が電子化作業をしている間、本来の業務が進まないことによる機会損失です。
「社員が作業するから無料」というわけではありません。
大量の電子化では、人が何時間・何日・何週間作業するのかまで含めてコストを考える必要があります。
専門業者に大量スキャンを依頼する方法
大量の文書・資料を電子化する場合には、専門業者への外注も有力な選択肢です。
専門業者では、一般的な複合機ではなく、大量処理に適した専用ドキュメントスキャナや、原稿の種類に応じたさまざまなスキャナを使い分けます。
エビスでも、A4・B5などの大量文書には専用ドキュメントスキャナを使用し、ストレートパス機構によって原稿への負担を抑えながら高速に作業しています。
さらに、大判図面、製本資料、古文書、劣化した資料など、一般的なドキュメントスキャナでは対応しにくい原稿についても、原稿の状態やサイズに合わせて機材を選択します。
専門業者に依頼する5つのメリット
1.大量の資料を短期間で処理できる
大量スキャンでは、作業速度がそのまま工期に影響します。
社内の複合機を使って少しずつ作業するより、大量処理に適した機材と専任スタッフを投入する方が、短期間で作業を完了できる可能性があります。
エビスでは、大量の文書類について専用ドキュメントスキャナを使用し、作業速度を重視した電子化を行っています。
「半年かけて社内で少しずつ電子化する」のではなく、
「専門業者に依頼して短期間で一気に電子化する」
という選択肢も検討する価値があります。
2.原稿に合わせてスキャナを使い分けられる
大量の資料といっても、すべてが同じ原稿ではありません。
例えば、
- A4・B5などの一般文書
- 大判図面
- 製本された資料
- 契約書
- 古い冊子
- 和紙資料
- 写真
- マイクロフィルム
など、原稿によって適したスキャン方法が異なります。
エビスでは、一般文書用のドキュメントスキャナだけでなく、A0判のフラットベッドスキャナ、A1判のブックスキャナ、長尺図面に対応するシートスキャナなど、原稿に応じて機材を使い分けています。
これは、大量の資料を高品質かつ効率的に電子化するうえで重要なポイントです。
3.「スキャンしただけ」で終わらせない
大量の資料を電子化するときに重要なのが、データを後から使える状態にすることです。
単純に紙をPDFにするだけでは、電子化した後も、
「このファイルは何の資料なのか?」
「どこに目的の資料があるのか?」
を探す必要があります。
そこで重要になるのが、
- ファイル名
- 管理番号
- 文書名
- 作成年月日
- 部門名
- 案件名
- 文書種別
などの属性情報です。
エビスでも、電子化時に属性情報を付与することで、検索性の高いデータベースを構築する考え方を提案しています。
つまり、
「紙をPDFにする」ことと「紙資料を使える電子データにする」ことは同じではありません。
大量案件ほど、この違いが重要になります。
4.OCRによって検索性を高められる
大量のPDFを作成した場合、ファイル数が増えれば増えるほど、目的の資料を探すことが課題になります。
そこで活用できるのがOCRです。
OCRとは、スキャンした画像から文字を認識し、テキスト情報として扱えるようにする技術です。
エビスでもOCR処理に対応しており、文書管理における検索性の向上や作業時間の短縮に活用できます。
大量の資料では、
スキャン → OCR → ファイル名・属性情報付与 → 検索・閲覧
までを一連の工程として考えることが重要です。
5.担当者を本来の業務に戻せる
大量の電子化を内製する最大の問題の一つが、担当者の時間を長期間拘束してしまうことです。
文書を整理する。
スキャンする。
エラーを確認する。
ファイル名を付ける。
データを整理する。
これらを何万枚、何十万枚と繰り返すとなれば、本来の業務に割ける時間が減ってしまいます。
専門業者へ外注すれば、社内担当者は、
「電子化作業をする人」ではなく、「電子化プロジェクトを管理する人」
として業務に集中できます。
これは人件費だけでは表しにくい、外注の大きなメリットです。
大量スキャンの費用は「1枚いくら」だけで考えない
大量の電子化を検討するとき、
「1枚○円だから、10万枚なら○万円」
と単純に考えてしまうことがあります。
しかし、実際には原稿の状態や仕様によって作業内容が変わります。
例えば、
- 原稿のサイズ
- カラー・モノクロ
- 解像度
- 原稿の状態
- ホチキス・クリップの有無
- 両面・片面
- 製本の有無
- OCRの有無
- ファイル分割
- ファイル名
- 属性情報
- 画像補正
- データ納品方法
などが費用に影響します。
さらに、内製の場合には社員の作業時間もコストです。
そのため、大量案件では、
「外注費」と「内製した場合の総コスト」を比較する
ことが重要です。
内製と外注、どちらを選ぶべき?
一概にどちらがよいとは言えません。
目安としては、次のように考えると分かりやすいでしょう。
| 比較項目 | 内製 | 専門業者 |
| 少量の資料 | ◎ | ○ |
| 大量の資料 | △ | ◎ |
| 社外への原稿搬出 | なし | 相談が必要 |
| 短期間での大量処理 | △ | ◎ |
| 専用スキャナ | △ | ◎ |
| 原稿別の機材選定 | △ | ◎ |
| 属性情報の大量付与 | △ | ◎ |
| OCR処理 | ○ | ◎ |
| 社内スタッフの負担 | 大きい | 小さい |
| 品質管理 | 社内で構築 | 専門体制を利用 |
もちろん、機密性が高く社外へ持ち出せない資料については、出張スキャンによって現地で電子化する方法もあります。
エビスでは、原稿を社外へ持ち出せない場合に、専用機器とスタッフを現地へ配置して電子化する出張スキャンにも対応しています。
「大量だからこそ」電子化の仕様を最初に決める
大量の資料を電子化するとき、作業を始めてから仕様を変更すると、大きな手戻りが発生します。
そのため、最初に次のような項目を決めておくことが重要です。
電子化前に決めておきたい項目
① 何を電子化するか
すべての資料を電子化するのか、重要資料だけを対象にするのか。
② どの画質で保存するか
閲覧用なのか、印刷用なのか、長期保存用なのかによって必要な仕様が変わります。
③ ファイル形式
PDF、TIFF、JPEGなど、利用目的に合わせて決めます。
④ ファイルの分け方
1冊1ファイルにするのか、ページ単位にするのか、文書単位にするのかを決めます。
⑤ ファイル名
管理番号、文書名、日付など、検索しやすいルールを設定します。
⑥ 属性情報
文書名、部署、案件名、作成年月日など、後から検索するための項目を決めます。
⑦ OCRの有無
文字検索が必要な資料についてはOCR処理を検討します。
この仕様設計を最初に行うことで、電子化した後の「使いにくいデータ」を防ぎやすくなります。
大量の紙資料を電子化するなら「スキャン」だけを外注しない
大量の資料を電子化する場合、重要なのはスキャンそのものだけではありません。
原稿整理 → スキャン → 画像確認 → OCR → ファイル名設定 → 属性情報付与 → データ整理 → 納品
までを一つのプロジェクトとして考えることが重要です。
特に大量案件では、一つの工程だけを安くするよりも、全体の作業を効率化する方が結果としてコストダウンにつながる場合があります。
大量スキャンはエビスにご相談ください
エビスでは、企業や官公庁・自治体などが保管する大量の文書・資料の電子化に対応しています。
一般的な文書だけでなく、大判図面、製本資料、契約書、古い資料、写真、マイクロフィルムなど、原稿の種類に応じてスキャナや作業方法を選択します。
また、単にスキャンしてPDFにするだけではなく、
OCR処理、PDF化、画像編集、属性情報の付与、データベース構築
など、電子化後の利用まで考えたデータ作成にも対応しています。
さらに、機密性の高い資料など、社外への搬出が難しい場合には出張スキャンという方法もあります。原稿のある場所へ機材とスタッフを配置し、現地で電子化することが可能です。
「社内でやった方が安い」とは限りません
大量の資料を電子化する場合、
「社内スタッフが作業すれば外注費はかからない」
と考えがちです。
しかし実際には、スタッフの人件費、作業期間、設備、通常業務への影響など、さまざまなコストが発生します。
だからこそ、
「内製した場合にどれくらいの人員・期間・費用が必要なのか」
を一度算出し、
「専門業者へ依頼した場合の費用・納期・品質」と比較する
ことをおすすめします。
エビスでは、原稿の種類や数量、希望するデータ仕様などをお聞きしたうえで、電子化に必要な作業内容と概算のお見積りをご案内しています。大量の原稿にも対応しています。
「倉庫に大量の文書がある」
「何万枚あるのかも正確に分からない」
「社内で電子化すると何カ月かかるか分からない」
「電子化するだけでなく、検索できるデータにしたい」
といった場合も、まずはお気軽にご相談ください。
大量の紙資料を、品質・納期・コストのバランスを考えた電子データへ。
エビスが、原稿整理からスキャン、データ作成までトータルでサポートします。
