建設会社や設計事務所、設備会社などでは、竣工図書や契約書製本、完成図書などの大判製本を電子化したいというご相談が年々増えています。しかし、これらの製本は一般的な書類とは構造が異なるため、スキャン方法を誤ると画質の低下や原稿の破損につながる恐れがあります。
エビスでは原稿の状態や用途に応じて、「非破壊スキャン」と「分解スキャン」を使い分けることで、高品質な電子化を実現しています。今回は、それぞれの特徴や選び方について詳しくご紹介します。

非破壊スキャンとは?
非破壊スキャンとは、その名の通り製本を分解することなく電子化する方法です。
一般的なシートスルー方式のスキャナでは、原稿を1枚ずつ送り込む必要があるため、製本された図面や契約書をそのまま読み取ることはできません。
エビスでは、
- A0判対応フラットベッドスキャナ
- A1判対応オーバーヘッド(ブック)スキャナ
を設備しており、大判製本や厚みのある資料でも製本を傷めることなく電子化できます。重い図面製本でもページをめくるだけで読み取れるため、原稿への負担を最小限に抑えることが可能です。
非破壊スキャンが適している原稿
次のような原稿には非破壊スキャンがおすすめです。
- 竣工図書
- 製本図面
- 観音製本
- 青焼き図面
- 劣化した古い図面
- 和紙資料
- 美術資料
- 保存価値の高い原稿
特に古い図面は紙が脆くなっていることが多く、一度分解すると元に戻せなくなる場合があります。そのため、原本保存を優先する場合には非破壊スキャンが最適です。
分解スキャンが必要になるケース
一方で、すべての原稿に非破壊スキャンが最適というわけではありません。
代表的なのが黒表紙金文字の契約書製本です。
この製本は「固定製本」と呼ばれ、
- 強力な製本糊
- 釘や金具
- 厚いハードカバー
などでしっかり固定されています。
これは契約書として改ざん防止の意味もあり、簡単にはページを取り外せない構造になっています。
しかし、このまま非破壊スキャンを行うと、ページ中央の「ノド」と呼ばれる部分が完全に開かず、
- 文字が欠ける
- 図面の線が見えない
- 黒い影が映る
といった問題が発生することがあります。
図面や契約書を情報資産として長期間保存するのであれば、この影によって重要な情報が欠落することは避けなければなりません。
エビスだからできる「分解→スキャン→再製本」
一般的なスキャン業者では、製本を分解すると元に戻すことができません。
しかしエビスは印刷会社であると同時に製本設備も備えているため、
- 契約書製本を丁寧に分解
- 1枚ずつ高品質にスキャン
- ノドまで完全に電子化
- スキャン完了後に再製本
という工程を社内で一貫して行うことができます。
そのため、原稿全体を欠けなく電子化できるだけでなく、スキャン後も製本された状態で保管できるという大きなメリットがあります。
これは製本技術を持つ会社ならではの強みです。
非破壊スキャンと分解スキャンの比較
| 項目 | 非破壊スキャン | 分解スキャン |
| 原本への影響 | ほぼなし | 一度分解する |
| 原稿の保存 | ◎ | 再製本が必要 |
| ノド部分 | 影が出る場合がある | 完全に読み取れる |
| スキャン速度 | 比較的速い | 分解・再製本工程が必要 |
| 精度 | 高い | 最も高い |
| おすすめ原稿 | 古文書・製本図面・劣化資料 | 契約書製本・完成図書・長期保存資料 |
最適な方法は原稿ごとに異なります
電子化では、「原稿を傷めないこと」と「データを完全に残すこと」の両立が重要です。
保存価値の高い図面であれば非破壊スキャンが最適な場合もあります。一方で、ノド部分まで正確に電子化する必要がある契約書製本や完成図書では、分解スキャンの方が適しているケースも少なくありません。
エビスでは原稿の状態や用途、ご希望の運用方法を確認した上で、最適なスキャン方法をご提案しています。A0判対応フラットベッドスキャナやA1判オーバーヘッドスキャナを活用した非破壊スキャンから、製本業者ならではの分解・再製本まで、一貫した社内対応が可能です。大判図面や契約書製本の電子化をご検討中の方は、お気軽にご相談ください。
