文書や図面の電子化にはいくらかかる?
紙文書や図面を電子化しようと考えたとき、多くの方が最初に気になるのが、
「電子化には一体いくらかかるの?」
ということではないでしょうか。
特に、
- 倉庫に大量の書類がある
- 古い図面をまとめて電子化したい
- A1・A0などの大判図面がある
- 製本された資料を電子化したい
- 紙資料をまとめてPDFにしたい
という場合には、総額がどのくらいになるのか分かりにくいものです。
実際、電子化の料金は単純に「1枚○円」と決まるわけではありません。
原稿のサイズ、枚数、カラー・モノクロ、解像度、原稿の状態、製本の有無、OCRやファイル整理などの追加作業によって費用が変わります。
例えば、A4の一般文書を大量にスキャンする場合と、A0の図面を1枚ずつ高品質でスキャンする場合では、必要な設備も作業時間も大きく異なります。
そのため、電子化費用を検討するときには、
「1枚いくら?」
だけではなく、
「何が料金を左右するのか?」
を理解しておくことが重要です。

電子化費用を左右する主な8つのポイント
電子化料金は、主に次のような条件によって変わります。
- 原稿のサイズ
- 原稿の枚数・冊数
- カラーかモノクロか
- 解像度・スキャン仕様
- 原稿の状態・製本の有無
- OCRや画像補正などの追加処理
- ファイル名・フォルダ整理などのデータ処理
- 原稿の返却・廃棄や納品方法
これらを一つずつ見ていきましょう。
1.原稿のサイズによって料金が変わる
電子化費用を大きく左右するのが、原稿のサイズです。
一般的な文書では、
- A4
- A3
- B5
- B4
などが中心になります。
一方、建築・土木・設備などの図面では、
- A2
- A1
- A0
- さらに大きな長尺図面
などがあります。
当然ながら、大判原稿ほど1枚あたりのスキャン料金は高くなる傾向があります。
例えばエビスの現在の料金表では、モノクロスキャンの場合、A4は44円~、A3は66円~、A2は220円~、A1は330円~、A0は440円~となっており、数量が増えると単価が下がる設定です。
※上記は現在掲載されている料金表の一例で、実際の料金は原稿の状態や仕様などによって変わる場合があります。
関連情報:「料金表」
2.枚数が多いほど1枚あたりの単価が下がることがある
電子化では、原稿の数量も料金に大きく影響します。
例えば、10枚だけスキャンする場合と、10,000枚をまとめてスキャンする場合では、1枚あたりの作業効率が異なります。
大量案件では、
- 原稿処理をまとめて行える
- スキャン作業を連続して行える
- 機材の切り替えが少なくなる
- ファイル処理をまとめて行える
などのメリットがあるため、数量に応じて単価を下げられる場合があります。
当社の料金表でも「~999枚」「1,000枚~」「10,000枚~」という数量区分が設けられています。
つまり、
大量の資料があるから高くなる
とは限りません。
むしろ、まとまった数量を一括して依頼することで、1枚あたりの単価を抑えられるケースがあります。
関連情報:「料金表」
3.カラーかモノクロかでも料金は変わる
カラーで保存する必要があるのか、それともモノクロで十分なのかも重要です。
一般的に、カラーでのスキャンはモノクロよりもデータ量や処理負荷が大きくなり、料金にも影響します。
例えば、
モノクロで十分な資料
- 白黒の契約書
- 一般的な社内文書
- 白黒帳票
- モノクロ図面
など。
カラーで残したい資料
- 色分けされた図面
- 写真
- パンフレット
- カラーチャート
- 色そのものに意味がある資料
などです。
当社の料金表でも、モノクロとカラーは別の料金体系になっています。例えばA1の場合、モノクロは330円~、カラーは440円~となっています。
関連情報:「料金表」
「全部カラー」は本当に必要?
電子化では、
「せっかく電子化するなら全部カラーにしたほうがいい」
と考える方もいます。
しかし、すべての資料をカラーにする必要があるとは限りません。
色が情報として必要な資料だけカラーにし、それ以外はモノクロにすることで、費用とデータ容量の両方を抑えられる可能性があります。
ただし、図面の場合は色によって情報を区別していることがあります。
例えば、
- 赤=撤去
- 青=給水
- 緑=植栽
など、色そのものが重要な意味を持っている場合があります。
そのため、カラー・モノクロは「安いほう」ではなく、電子化後の用途を基準に決めることが大切です。
4.解像度も費用やデータ容量に影響する
電子化の仕様を決めるとき、解像度も重要です。
解像度は一般的にdpiという単位で表します。
高解像度にすると細かな文字や線をより細かく記録できますが、その分、
- ファイル容量が大きくなる
- スキャン時間が増える
- データ処理に時間がかかる
- 保存容量が増える
といった影響があります。
そのため、
「できるだけ高解像度でお願いします」
とすれば必ず良い結果になるとは限りません。
用途に合わせた解像度を選ぶ
例えば、
社内で閲覧するだけ
なら、必要以上に高解像度にする必要がない場合があります。
一方、
図面を拡大して細部を確認する
将来的に印刷する
といった用途では、より高い品質が必要になる場合があります。
電子化費用を抑えるうえでも、
「必要な品質を確保しつつ、過剰な仕様にしない」
ことがポイントになります。
これは単なるコストダウンではなく、使いやすい電子データを作るための仕様設計でもあります。
5.原稿の状態や製本の有無によっても費用は変わる
同じA1サイズでも、
平らな1枚の図面
と、
A1サイズの製本図面
では作業内容が異なります。
製本された資料では、ページをめくりながらスキャンする必要があるため、通常のシート状原稿よりも作業工程が増えます。
また、
- 古い資料
- 破れた原稿
- 劣化した紙
- 折り目の多い資料
- 和紙
- 古文書
- 特殊な製本
なども、通常のスキャンより慎重な取り扱いが必要になります。
製本を解体するか、非破壊でスキャンするか
製本資料を電子化する場合、製本を解体して1枚ずつスキャンする方法と、製本を壊さずにスキャンする非破壊スキャンがあります。
大量の一般的な資料では、解体してシートスルー型のスキャナーなどを使ったほうが効率的な場合があります。
一方で、
- 貴重な資料
- 劣化した製本
- 原本を残したい資料
- 契約書製本
- 図面製本
などでは、原稿を壊さない方法が適している場合があります。
当社では、大判の製本図面について非破壊スキャンに対応しており、A1判の図面製本などを原稿を傷めずに電子化するサービスを案内しています。
当然ながら、こうした特殊な作業は通常のシート原稿をスキャンする場合より工程が増えるため、料金にも影響します。
6.OCRや画像補正などの追加処理で費用が変わる
「PDFにするだけ」ならスキャンが中心ですが、電子化後にデータを活用する場合には、追加処理が必要になることがあります。
例えば、
- OCR
- 画像補正
- 傾き補正
- ノイズ除去
- ファイル結合
- ファイル分割
- 画像の接合
- 4点補正
- ラスベク変換
などです。
これらは単純なスキャンとは別の作業になります。
OCRを付けると何が便利?
OCRを利用すると、スキャンした文書を文字検索できるようになります。
例えば大量の契約書を電子化した場合、
「契約番号」
「会社名」
「担当者名」
などを検索して目的の資料を探しやすくできます。
ただし、OCR処理が必要ない資料にまで付ける必要はありません。
「検索したい資料だけOCRを付ける」
という方法も、コストを抑えるうえで有効です。
図面の場合は「ラスベク変換」という選択肢も
図面を単にPDFとして保存するのではなく、CADなどで再利用したい場合には、ラスベク変換が必要になるケースがあります。
これは通常の画像スキャンとは別の工程になるため、費用も大きく変わります。
現在の当社の料金表では、ラスベク変換はA2で3,300円~、A1で4,400円~、A0で7,700円~と掲載されています。
つまり、
「保存するための電子化」
と
「データを再利用するための電子化」
では、必要な仕様も費用も大きく異なる場合があります。
7.ファイル名やフォルダ整理にも費用がかかる場合がある
電子化すると大量のPDFや画像ファイルが作られます。
例えば10,000枚の資料を電子化して、
scan001.pdf
scan002.pdf
scan003.pdf
……
と並んでいても、実務では非常に使いにくいでしょう。
そこで、
「契約書_2026年度_株式会社○○」
のようにファイル名を設定したり、
年度 → 部門 → 文書種類
などのフォルダ構成に整理したりする作業が必要になる場合があります。
これらはスキャンそのものとは別の作業なので、料金に影響することがあります。
当社の料金表でも、ファイル名入力は1項目15文字まで33円~と設定されています。
「電子化後のデータをどう使うか」が費用を左右する
ここまで紹介したように、電子化費用は単純なスキャン料金だけで決まりません。
例えば、
ケースA
「紙をPDFにして保存したい」
→ 基本的なスキャン中心
ケースB
「PDFを文字検索したい」
→ OCRを追加
ケースC
「図面をCADで再利用したい」
→ ラスベク変換などを検討
ケースD
「大量の資料を検索・管理したい」
→ ファイル整理やデータベース構築を検討
というように、目的によって必要な作業が変わります。
だからこそ、
「電子化費用を安くしたい」
というときに、最初から品質や必要な機能を削るのではなく、
「本当に必要な作業と、必要ではない作業を分ける」
ことが重要です。
電子化費用を抑える7つのコストダウン方法
ここからは、実際に電子化費用を抑えるための方法を紹介します。
1.電子化する資料を選別する
最も効果が大きいのが、「本当に電子化する必要がある資料だけを対象にする」ことです。
倉庫にある資料をすべて電子化するのではなく、
- 廃棄できる資料
- 重複している資料
- すでに電子データがある資料
- 保存する必要がない資料
を事前に整理します。
10,000枚すべてを電子化するのではなく、7,000枚に絞ることができれば、その分だけ電子化費用も抑えられます。
2.カラーとモノクロを使い分ける
すべてをカラーにするのではなく、
カラーが必要な資料だけカラー
とします。
色に意味がない白黒文書などはモノクロで電子化することで、コストを抑えられる場合があります。
3.必要以上に高解像度にしない
「高解像度なら安心」という理由だけで、すべてを最高解像度にする必要はありません。
電子化後の用途を考えて、
必要十分な解像度
を選びましょう。
これはファイル容量の削減にもつながります。
4.OCRは必要な資料だけにする
大量の資料すべてにOCRを付ける必要がないのであれば、
検索が必要な文書だけOCR
とする方法があります。
例えば、
- 契約書 → OCRあり
- 保存用図面 → OCRなし
- 写真 → OCRなし
というように使い分けることができます。
5.ファイル整理のルールを事前に決める
電子化後のファイル名やフォルダ構成を業者に依頼すると、作業量が増えて費用に影響することがあります。
そこで、
「ファイル名は原稿番号をそのまま使う」
など、シンプルなルールにする方法もあります。
ただし、ここで重要なのは、
安くするためにデータを使いにくくしないこと。
数千円・数万円を節約した結果、電子化後の検索や管理に膨大な時間がかかってしまっては本末転倒です。
6.大量の資料はまとめて依頼する
電子化業者によっては、数量が多いほど1枚あたりの単価が下がる料金体系を採用しています。
当社の料金表でも、例えばA1モノクロスキャンは999枚まで330円、1,000枚以上220円、10,000枚以上165円という数量区分になっています。
そのため、
「まず100枚だけ」「次に500枚」
と小分けにするよりも、可能であれば全体量を伝えて見積もりを取るほうが有利な場合があります。
もちろん、納期や予算の都合で分割する必要がある場合は、その条件も含めて相談しましょう。
7.「安さ」ではなく「作業効率」で考える
電子化費用を考えるとき、意外と見落とされるのが作業時間です。
例えば自社で10,000枚をスキャンする場合、
- 原稿を並べる
- ホチキスを外す
- スキャンする
- 画像を確認する
- ファイル名を付ける
- データを整理する
- 原稿を戻す
といった作業に大量の時間が必要になります。
つまり、
電子化料金=スキャン代
ではありません。
自社で行う場合には、担当者の人件費や本来の業務ができないことによる機会損失も発生します。
前回の記事で紹介したように、数量が多い場合には外注したほうが効率的になるケースがあります。
関連情報:「電子化のコストダウンのご提案 準備作業について」
電子化費用の見積もりを取るときに伝えるべきこと
業者に見積もりを依頼するときは、できるだけ次の情報を伝えましょう。
原稿
- 文書/図面
- サイズ
- 枚数
- 冊数
- カラー/モノクロ
- 製本の有無
- 原稿の状態
電子化仕様
- PDF/TIFF/JPEGなど
- 解像度
- OCRの有無
- カラー/モノクロ
- ファイル分割
- ファイル名
- フォルダ構成
その他
- 希望納期
- 原稿返却
- 原稿廃棄
- データ納品方法
- 出張スキャンの必要性
これらが明確になるほど、業者側も正確な見積もりを出しやすくなります。
「原稿の枚数が分からない」場合はどうする?
大量の資料を保管している企業では、
「何枚あるのか数えられない」
というケースも珍しくありません。
倉庫に何百冊、何千冊ものファイルがある場合、1枚ずつ数えてから見積もりを依頼するのは現実的ではありません。
この場合は、
「おおよその冊数」「箱数」「棚数」「資料のサイズ」
など、分かる範囲の情報を伝えて相談してみましょう。
物量が多すぎて原稿枚数を数えきれない場合などについては、営業スタッフが訪問して概算数量や原稿状態を確認することも可能です。
電子化の見積もりは「単価」より「総額」で比較する
業者から見積もりを取ったら、
1枚あたりの料金
だけではなく、
最終的にいくらかかるのか
を確認しましょう。
例えば、
| 項目 | A社 | B社 |
| スキャン | 100,000円 | 120,000円 |
| OCR | 50,000円 | 込み |
| ファイル整理 | 30,000円 | 込み |
| 原稿処理 | 20,000円 | 10,000円 |
| データ納品 | 10,000円 | 5,000円 |
| 原稿返却 | 15,000円 | 10,000円 |
| 総額 | 225,000円 | 145,000円 |
ということもあります。
一見するとA社のスキャン単価が安くても、最終的な費用ではB社のほうが安いというケースです。
料金比較は「単価」ではなく「必要な作業をすべて含めた総額」で行うことが重要です。
電子化費用を安くすることだけを目的にしない
電子化では、
「できるだけ安くしたい」
というのは当然のことです。
しかし、コストダウンには注意点があります。
例えば、
- 解像度を下げすぎる
- 必要なカラー資料までモノクロにする
- OCRを付けない
- ファイル整理をしない
- 重要資料まで一律に同じ仕様にする
といった方法で費用を抑えると、電子化した後に、
「使えないデータになってしまった」
ということがあります。
電子化は、一度やり直すと再び原稿を取り出してスキャンしなければならず、結果として余計な費用がかかります。
そのため、
「安くする」のではなく「不要な費用をかけない」
という考え方がおすすめです。
電子化費用を決める前に「目的」を決めよう
電子化の費用を抑えるためにも、まずは目的を明確にしましょう。
例えば、
目的① 紙の保管スペースを減らしたい
→ 保存・閲覧に必要な仕様を検討
目的② 必要な資料をすぐ検索したい
→ OCRやファイル整理を検討
目的③ 図面を将来も確認したい
→ 図面の線や文字を十分に再現できる仕様
目的④ CADなどで再利用したい
→ ラスベク変換などを検討
目的⑤ 倉庫を整理したい
→ 大量スキャン+原稿処理・廃棄まで含めて検討
このように目的が決まれば、必要な仕様も見えてきます。
そして必要な仕様が分かれば、見積もりも比較しやすくなります。
まとめ|電子化費用は「原稿×仕様×数量」で決まる
文書や図面の電子化費用は、単純に「1枚○円」と決まるものではありません。
主に、
- 原稿サイズ
- 枚数・冊数
- カラー/モノクロ
- 解像度
- 原稿の状態
- 製本の有無
- OCR
- 画像補正
- ファイル整理
- ラスベク変換などの追加処理
- 原稿返却・廃棄
- 納品方法
などによって変わります。
そして、費用を抑えるポイントは、
① 電子化する資料を選別する
② カラーとモノクロを使い分ける
③ 必要以上の高解像度にしない
④ OCRを必要な資料だけにする
⑤ データ整理の方法を事前に決める
⑥ 大量案件はまとめて相談する
⑦ 自社作業の人件費まで含めて比較する
ことです。
特に大切なのは、「安い仕様を選ぶ」のではなく「必要な仕様と不要な仕様を見極める」ことです。
電子化は一度きりの作業になることが多いため、価格だけを優先して「使いにくいデータ」を作ってしまうと、後からやり直すほうが高くつく場合があります。
エビスの電子化サービスでは仕様に応じてお見積もりします
エビスでは、一般文書だけでなく、大判図面、製本・冊子、古文書、絵画・歴史資料、写真、マイクロフィルムなど、さまざまな原稿の電子化に対応しています。大判図面の非破壊スキャンや、大量資料の電子化、出張スキャンなどにも対応しています。
また、専門サイトでは現在、A4・A3・A2・A1・A0などのサイズ別にモノクロ・カラーの料金表を掲載しており、数量に応じた価格設定も確認できます。
例えば現在掲載されている料金では、モノクロスキャンはA4が44円~、A3が66円~、A2が220円~、A1が330円~、A0が440円~。カラーではA4が66円~、A3が110円~、A2が330円~、A1が440円~、A0が2,200円~となっています。
ただし、実際の費用は原稿の状態、数量、仕様、追加作業などによって変わります。
「何枚あるのか分からない」「カラーにするべきか分からない」「A1図面をどの解像度でスキャンすればよいか分からない」といった場合でも、まずは原稿の種類と用途をお聞かせください。
必要なところには費用をかけ、不要なところには費用をかけない。
そんな電子化をご提案することが、結果的に最も無駄のない電子化につながります。
