建築図面や設備図面はA1・A0といった規格サイズが一般的ですが、土木分野ではそれを大きく超える長尺図面が数多く存在します。
道路の縦断図、河川計画図、鉄道線路図、上下水道管路図などは、巻物のように長い形状をしており、一般的なフラットベッドスキャナでは一度に読み取ることができません。
このような図面を電子化するためには、図面に適したスキャナを選ぶことが重要です。今回は長尺図面のスキャンで使用されるシートスキャナと、CCD方式・CIS方式の違いについてご紹介します。

長尺図面とは
長尺図面とは、A0判(841×1189mm)を超える長さを持つ図面の総称です。
代表的なものとして、
- 道路縦断図
- 鉄道線路図
- 河川計画図
- 上下水道配管図
- 地下埋設物図面
- 電力・通信設備図
などがあります。
長さは2〜3m程度のものから、5〜6mにも及ぶ図面まで存在し、一般的なコピー機やフラットベッドスキャナでは対応できません。
長尺図面にはシートスキャナが最適
このような図面の電子化には**シートスキャナ(メディアムーブ方式)**が利用されます。
シートスキャナは、原稿をローラーで搬送しながら固定された読取ユニットで画像を取得する方式です。
フラットベッドスキャナのようにガラス面へ原稿を載せる必要がなく、長い図面でも連続して読み取ることができます。
当社で使用している図面専用シートスキャナでは、最長約6mまでの長尺図面に対応しており、道路・鉄道・河川などの大型図面も分割することなく電子化できます。
CCD方式とCIS方式の違い
シートスキャナには大きく分けて
- CCD方式
- CIS方式
の2種類があります。
どちらも画像を読み取るためのセンサーですが、性能には大きな違いがあります。
CCD方式
CCD方式はレンズを介して画像を読み取る方式です。
最大の特徴は焦点深度が深いこと。
多少波打っている図面や、折れ・シワ・厚みがある原稿でもピントが合いやすく、細い線まで鮮明に読み取ることができます。
経年劣化した青焼き図面やマイラー図面などでも、線の再現性に優れているため、図面電子化では高く評価されています。
CIS方式
一方、CIS方式はセンサーを原稿の近くに配置して直接読み取る構造です。
機器価格が比較的安価で、小型・省電力というメリットがあります。
しかし焦点深度が浅いため、
- 波打った図面
- 折れがある原稿
- 凹凸のある紙
では画像が甘くなることがあります。
一般的なオフィス向けスキャナでは多く採用されていますが、古い図面や重要図面の電子化では注意が必要です。
古い図面ほどCCD方式がおすすめ
図面は保管年数が長くなるほど、
- 紙の波打ち
- 折れ
- シワ
- 汚れ
- 色褪せ
などが発生します。
こうした図面では、単純に解像度を上げるだけでは鮮明な画像にはなりません。
重要なのは図面本来の線をどれだけ忠実に再現できるかです。
CCD方式は焦点深度が深く、細線や薄くなった線の再現性にも優れているため、古い図面や貴重な原図の電子化には非常に適しています。
スキャナは用途に応じて使い分けることが重要
図面電子化では、1台のスキャナですべての原稿に対応できるわけではありません。
例えば、
| 原稿の種類 | 適したスキャナ |
| A0・A1規格図面 | フラットベッドスキャナ |
| 製本図面 | ブックスキャナ(非破壊スキャン) |
| 長尺図面 | シートスキャナ |
| 劣化した原図・マイラー図面 | CCD方式シートスキャナ |
このように原稿の状態や用途に合わせて機器を使い分けることで、高品質な電子化が可能になります。
まとめ
長尺図面の電子化では、単に「大きな図面を読み取れる」だけでは十分ではありません。
図面の保存状態や用途に応じて適切なスキャナを選ぶことで、細線や文字を忠実に再現した高品質なデータを作成できます。
特に道路・鉄道・河川などの長尺図面や、経年劣化した古い図面では、焦点深度の深いCCD方式シートスキャナが大きな力を発揮します。
当社ではA0判を超える長尺図面にも対応した図面専用シートスキャナをはじめ、フラットベッドスキャナや非破壊ブックスキャナなど複数の専用機器を用途に応じて使い分けています。原稿の状態を確認したうえで最適な電子化方法をご提案いたしますので、長尺図面や特殊図面のスキャンをご検討の際はお気軽にご相談ください。詳しいサービス内容は エビスのスキャン・電子化サービス をご覧ください。
