はじめに
紙文書や図面を電子化する目的は、「紙をデータにすること」だけではありません。
電子化したデータをどのように活用するかによって、必要となる加工方法は大きく異なります。
代表的な加工サービスが、
- OCR(文字認識)
- ラスベク変換(ラスターベクター変換)
です。
どちらもスキャンデータを加工するサービスですが、目的も成果物もまったく異なります。
本記事では、それぞれの特徴や違い、どのような用途に適しているのかを分かりやすくご紹介します。

スキャンしただけでは「画像データ」
紙の資料や図面をスキャンすると、基本的には画像データ(PDF・TIFF・JPEGなど)が作成されます。
画像データは紙の内容をそのまま保存できますが、
- 文字を検索できない
- CADで編集できない
- 内容を再利用しにくい
という課題があります。
その課題を解決するのが、OCRとラスベク変換です。
OCRとは?
OCR(Optical Character Recognition:光学文字認識)は、スキャンした文書内の文字を読み取り、検索可能なテキスト情報へ変換する技術です。
例えば契約書や報告書をOCR処理すると、
- キーワード検索
- コピー&ペースト
- 文書管理システムでの全文検索
などが可能になります。
電子化した資料を探しやすくなるため、業務効率の向上につながります。
OCRのメリット
OCRを利用すると、次のようなメリットがあります。
1.必要な資料をすぐ検索できる
大量のPDFからでも、文字情報を検索して目的の資料を素早く見つけられます。
2.情報共有がしやすい
社内の文書管理システムでも検索性が向上し、必要な情報へすぐアクセスできます。
3.入力作業を軽減できる
文字情報を再入力する手間が減り、業務効率化につながります。
ラスベク変換とは?
ラスベク変換(ラスターベクター変換)は、スキャンした図面の画像データを、線や円、図形などのベクターデータへ変換するサービスです。
図面をCADで再利用したい場合に利用されることが多く、画像として保存されていた図面を編集可能なデータへ近づけることができます。
ラスベク変換は、図面のデジタル資産化を進めるうえで重要な工程です。
ラスベク変換のメリット
1.CAD化の作業効率が向上
図面全体を一からCADで描き直すよりも、ラスベク変換を行うことでCADデータ化の作業時間を短縮できる場合があります。
2.古い図面を有効活用できる
紙図面しか残っていない設備図や建築図面も、デジタルデータとして再利用しやすくなります。
3.図面資産を長期的に管理できる
ベクターデータ化することで、改修や更新にも対応しやすくなり、図面資産を継続的に活用できます。
OCRとラスベク変換の違い
| 項目 | OCR | ラスベク変換 |
| 対象 | 文書 | 図面 |
| 目的 | 文字を検索可能にする | 図面を編集・CAD活用しやすくする |
| 成果 | テキスト情報付きPDF・検索可能データ | ベクターデータ・CAD化のベースデータ |
| 活用例 | 契約書・報告書・マニュアル | 建築図面・設備図面・機械図面 |
同じ「スキャン後の加工」でも、目的が異なるため、用途に応じて適切なサービスを選ぶことが重要です。
OCRが向いているケース
次のような文書にはOCRがおすすめです。
- 契約書
- 社内規程
- マニュアル
- 報告書
- 会議資料
- 行政文書
- 古い紙資料
検索性を高めたい文書管理に適しています。
ラスベク変換が向いているケース
ラスベク変換は、次のような図面に適しています。
- 建築図面
- 設備図面
- 配管図
- 電気図面
- 土木図面
- 機械図面
- 古い青焼き図面
CAD化や図面修正を予定している場合に効果を発揮します。
エビスのスキャンサービスが選ばれる理由
エビスでは、単に紙を電子化するだけではなく、その後の活用まで見据えたサービスをご提供しています。
主な特長は次のとおりです。
- 文書・図面の高品質スキャン
- OCRによる検索可能PDFの作成
- ラスベク変換による図面のベクターデータ化
- CADデータ活用を見据えたデータ加工
- 印刷会社としてのノウハウを活かした画像補正・修復にも対応
- 用途に応じた最適な電子化方法をご提案
「電子化して終わり」ではなく、「電子化したデータを業務で活用する」ことを重視したサービスをご提供しています。
まとめ
スキャンしたデータは、そのままでは画像として保存されるだけです。
文書を検索できるようにしたい場合はOCR、図面をCADで活用したい場合はラスベク変換と、目的に応じて最適な加工を選ぶことで、電子化の価値は大きく向上します。
紙文書や図面を資産として有効活用するためには、電子化だけでなく、その後のデータ活用まで考えたサービス選びが重要です。
「紙文書を検索できるPDFにしたい」「古い図面をCADで活用したい」「OCRとラスベク変換のどちらを選べばよいか分からない」など、スキャン後のデータ活用に関するご相談はお気軽にお問い合わせください。
エビスでは、高品質なスキャンサービスに加え、OCR処理やラスベク変換など、用途に応じたデータ加工サービスをご提供しています。文書管理から図面資産の活用まで、お客様の業務に最適な電子化をご提案いたします。
